新訳『ボートの三人男 もちろん犬も』(ジェローム・K・ジェローム)

まさか新訳が出るとは思ってもみなかったジェローム・K・ジェロームの『ボートの三人男』(小山太一訳、光文社、2018年)を読みました。

ヴィクトリア時代イギリスで、三人の男と一匹の犬がテムズ川をボートで上っていく珍道中を描いたユーモア小説の古典です。中公文庫丸谷才一訳を中学生のころに読んで以来、何度となく読み返して、続篇Three Men on the Bummelとセットのペンギン版まで買って読んでました。丸谷版もいいですが、新訳も雰囲気をとらえた良訳に思えました。(閘門通過の個所などは新訳のほうがわかりやすい気がします)解説ではジェロームの生涯についても詳しいです。

ところで解説でも触れられていますが、ボートの三人男と並ぶユーモア小説の古典、グロスミスのThe Diary of a Nobodyも新訳ででないものでしょうか。